EdTech

EdTech導入のお手伝いをする会社です。

株式会社diggin の代表、岩井です。
会社を7月に立ち上げました。事業の柱のひとつをEdTech系事業に設定しています。この記事で ”EdTech” に関する僕の認識を説明させていただきます。

1. EdTechとはなにか

自称、哲学徒(哲学を学んでいる人)なので言葉の意味を噛み砕いて説明します。
EdTechは “Education x Technology” の意味で “EduTech” と表される場合もあります。○○ x Technology は様々な領域で展開されており、全部まとめて
xTechと表現します。
FinTech(Finance x Technology):金融業 x テクノロジー 、AgriTech(Agriculture x Technology) :農園業 x テクノロジー、RegTech(Regulation x Technology):規制 x テクノロジーなどが他にはあります。

2. Educationとはなにか

“Education” の訳語が「教育」で、連想されるのは「教え育てること。知識,技術などを教え授けること。」というのが一般的な認識だと思います。
しかし、相応しい訳ではないとの見方をあの福沢諭吉はじめ多くの方がされているようです。

日本語で「教育」というと、上から下へ「教え諭す」という感じや、教師の知識を子供たちに教える「知育」という意味に使われます。「エディケーション」を語源的に探ると、「EDUCATE」の語源はラテン語の「EDUCATUS」で、「E」は「外へ」を意味する接頭語で、「DUCERE」は「導く」で、「能力を導き出す、引き出す」という意味になります。「教育」の持つニュアンスとはまったく違うとは思いませんか。スポーツに秀でた子はその能力を評価して大いに導き出し、語学に長けた子は国際感覚を身に付けるように導き、リーダーシップのある子にはグループをまとめるその力を十分に発揮する場を設定する。「エデュケーション」とは可能性を導き出すのに手を貸す、というようなニュアンスです。

(可児市文化創造センター「教育」と「エディケーション」は似て非なるもの。より)

こちらの説明が最も私の理解に近いので引用させていただきました。
人間、生まれた時には能力においてほとんど差はありません。その後、どのような環境で成長するかによって「外へ」「導かれた」力に違いが出てくるのだと思います。

3.  Technologyとはなにか

一般的にテクノロジーというと、「科学技術」(理科的な知識を使って生活を役立たせるもの)と訳される場合が多いですが、「人間が使う技術全般」という意味もあります。

4. EdTechの現状について

僕がEducationに興味を持ったのは、1年半前に「イノベーションにより事業拡大を図る」ことをミッションとした新設部門に配属された時でした。
「イノベーション」とは何かということを四六時中考え、様々なイベントに足を運び貪欲に知識を吸収しながら過ごした半年間でした。
なぜEducationに着目したかというと、大企業では社内研修を受ける機会は多いものの研修の講師は大抵社外の方で、どんなことでも社外委託するケースが余りにも多すぎることを不思議に思い、「EdTech事業部門」を立ち上げれば他部門に対しても喜ばれるアイディアだと考えたからです。
東京ビッグサイトで開催される教育系EXPO、EDIXに行き灘高校や開成高校、早稲田や慶應、デジタルハリウッド大など有名な学校の校長や学長の話を聞き、僕が通っていた高校・大学と違い有名校が人材育成に本気で取り組んでいることを知り、とても良い刺激を受けました。

思っていたよりもIT、ICT技術の活用は重要ではなく「アクティブラーニング」の方が重要なコンセプトで、これは社会人にとっても同じだと思いました。

5. 改めてEdTechの本質的な意味を考える

以上のことから、「子どもたちの中にある個性や才能の芽を見出し、可能性を導き出す手助けをするために、教師が様々な技術を活用、創意工夫すること」になると僕は考えました。
一般的な認識「知識や技術の習得を、ICTなどの科学技術で促進すること」と比べると大きく異なる内容です。

6. アクティブラーニングとはなにか

閑話休題。学ぶことにおいて近頃何かと話題にのぼる単語「アクティブラーニング」についても少し触れてみます。
日本語では「主体的で対話的で、深い学び」と表現される学びの手法です。
「対話的で、深い」というところに哲学的なエッセンスを感じます。
メーカーで開発の仕事をずっとしていましたので、「主体的に学ぶ」こと「独習」することが大事なことは経験上痛感していました。新製品の開発にしても、想定外のバグや不具合が見つかった場合でも、エンジニアは自分でなぜ、なぜ、なぜと何度も頭の中で考えて、答えを導き出さねばならないケースに結構な頻度で遭遇します。
難問に遭遇した場合に必要なのは「対話」という行為です。「これさぁ○○の不具合に似てるよね」とか「部品不良かな、傾向不良かな」などと関係者と対話するだけでなく、過去の自分とも対話して(自分の記憶や過去の設計データと照らし合わせて)答えや仮説を捻り出さなければなりません。
問題の難易度が高い場合、対話を何度も繰り返し物事を深く、深く追求していくことになりますが、この「深堀りする」「掘り続ける」という意味が当社の社名 ”diggin” には込められています。

7. アクティブラーニングの現場見学
   (世田谷区立桜丘中学校

TV番組でも取り上げられていた桜丘中学校が公開授業を行なっていることを知り、10月17日に大学の後輩と一緒に教育現場の見学をしてきました。
写真を交えながらレポートします。

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来客用玄関を入り職員室の方向を撮影した写真です。教室で勉強するのが苦手な生徒数名がフリーデスクでやりたいことをやっています。

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この日は使われていませんでしたが、3Dプリンタが2台置かれていました。中学校で自由に3Dプリンタを使える環境、羨ましく思います。
隣のデスクではキーボードで曲を奏で続ける子や、PCでプログラミングしている子もいました。
フリーデスクが校長室・職員室の目の前にあることでコソコソせず堂々と好きなことができるという事がポイントなのだと思いました。

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こちらは世界史の授業です。マグナカルタ、久しぶりに聞きました。人権や歴史について学ぶ事も大切ですね。

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こちらはディベートの授業です。テーマは「選挙の棄権に罰金を設けるべきか否か」。発表前にどれくらい準備をしたのかは不明ですが、難しいテーマに対して様々な意見を出し合うことは大切です。国会議員の皆さんも強行採決とか多数決で結論を出すのではなく、しっかりディベートして国政を行って欲しいと思います。

その他にも英語の少人数クラス、一般クラス、音楽の授業などを見学させていただきました。
個人的に最も驚いたのは生徒が何をしていても基本的に先生が注意しないことです。後ろの方で居眠りをしていたり、スマホを弄っている生徒がいても先生は注意をしませんでした。指示・命令するのではなく生徒が気づくまで待ってあげること。従来型の教育スタイルに慣れた先生にとっては忍耐力が試されそうです。ですが学校という場所において最も尊重されるのは生徒であることを考えると、これで良いのだろうと思いました。

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この3枚の写真は廊下の掲示物です。自己判断、日本語での表現、SDGs、大人にとっても勉強になる展示です。

12~15歳という年齢は心身ともに大きく成長する時期で不安定な時期でもあると思いますが、子どもたちが自立・自律できるよう大人たちが監視するのではなく見守っていることが理解できました。安心して学べる環境が整っており、いじめや格差が生まれにくい場所だと思いました。

自分も他者も尊重する。多様な立場、考え方、年齢の人間が一緒に学びながら生きていく。2時間ほど見学しただけですが、この学校のファンになってしまいました。

8. 終わりに

変化が激しい時代においては年齢に関係なく、「学び続けること」が個々人の武器や盾になると僕は考えています。そして対話により多くの問題は解決できると確信しています。
所属する組織に閉塞感を感じている方は是非お声がけください。


https://note.mu/ninjyawy3/n/n03b705949a92

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